大きな地震が発生。
しばらくすると、
「水道が出ない!」
となったら、
皆さんはまず何を考えますか?
飲み水。
料理。
手洗い。
お風呂。
いろいろ困りますが、
子ども2人がいる家庭でかなり深刻なのが、
「トイレ、どうする?」
という問題です。
そして、ここでやってしまいそうなのが、
「水道が出ないだけなら、お風呂の残り湯をバケツで入れて流せばいいよね?」
という行動。
でも、
大きな地震の後はちょっと待ってください。
問題は、 「水が出るかどうか」だけではありません。
地震によって、 自宅の排水管や建物の排水設備、下水道施設などが損傷している可能性
があります。
壊れていることに気づかず水を流してしまうと、
汚水が流れなかったり、
逆流したりするおそれがあります。
特にマンションなどの集合住宅では、
下の階で汚水があふれる可能性もあるため注意が必要です。
今回は、
「断水したらトイレは流していい?」
という疑問について、
2児ママ目線で、
- 断水した時にトイレを流していいのか
- 地震後にすぐ流してはいけない理由
- お風呂の残り湯は使っていいのか
- マンションで特に注意したいこと
- 水が出る場合でも安心できない理由
- 携帯トイレの使い方
- 4人家族なら何回分必要なのか
- 子どもがいる家庭で準備しておきたいこと
を詳しくまとめます。
結論|「断水=バケツの水で流せばOK」ではない
最初に結論です。
大地震後は、排水設備などの安全が確認できるまで、むやみにトイレを流さない。
これを家族で覚えておきたいです。
「断水」と聞くと、
水が来ない=給水側だけの問題
と思ってしまいがちです。
しかし大きな地震では、
- 水道管
- 建物内の給水設備
- 建物内の排水管
- 宅地内の排水設備
- 道路下の下水道管
- 下水処理施設
- ポンプ施設
などが被害を受ける可能性があります。
つまり、
便器から水が一度見えなくなったとしても、
その先の排水管・下水道まで正常とは限りません。
なぜ地震後にトイレを流すと危険なの?
東京都下水道局では、
大震災によって下水道管や水再生センター、ポンプ所などが損傷した場合、
下水道の使用を制限することがあると案内しています。
また、
使用制限が出ていない場合でも、
排水設備が破損していないか確認する必要があります。
配管が壊れている状態で排水すると、
- 下水が詰まる
- 汚水が逆流する
- 破損箇所から汚水が漏れる
- マンションの下階へ影響する
といった問題につながる可能性があります。
見えない床下や壁の中、
建物の外にある排水管が損傷している可能性もあります。
断水していなくてもトイレを流さない方がいい場合がある
ここは特に覚えておきたいポイントです。
大地震の後、
蛇口をひねったら水が出た。
すると、
「よかった!うちは断水してない!」
と思いますよね。
でも、
水が出る=排水して大丈夫
ではありません。
給水設備と排水設備は別だからです。
蛇口から水が出ていても、
地震によって排水管や下水道が損傷している可能性があります。
「水道が出るか?」だけで判断しない。
地震後は、
自治体から下水道の使用制限が出ていないか、
マンションなら管理会社・管理組合などからトイレ利用について案内が出ていないか確認しましょう。
お風呂の残り湯でトイレを流してもいい?
断水対策としてよく聞くのが、
「お風呂の残り湯をトイレに使う」
という方法です。
確かに、
給水だけが止まっていて、
排水設備や下水道が正常に使用できることが確認されている状況なら、
機種や自治体等の案内に従って生活用水を利用できる場合があります。
しかし、
大地震直後に自己判断で浴槽の水を大量に流すのは避けたいところです。
横浜市も、
大規模地震時には目に見えない場所の下水管が破損している可能性があるため、
排水設備の安全確認が終わるまで浴槽やトイレの水などを流さない
よう案内しています。
「断水した!」
↓
「お風呂に水がある!」
↓
「じゃあトイレに全部流そう!」
とすぐ判断するのは避けましょう。
マンションは特に注意!下の階で汚水があふれることも
マンションやアパートなど、
集合住宅に住んでいる家庭は特に注意が必要です。
自分の部屋の便器に異常がなくても、
建物内の共用排水管が損傷している可能性があります。
東京都下水道局も、
集合住宅では排水設備が破損している状態で使用すると、
下の階のお宅へ汚水が逆流する場合がある
と注意しています。
つまり、
「うちのトイレは流れたから大丈夫」
とは限らないのです。
マンションで大地震が発生したら、
- 管理会社
- 管理組合
- 建物管理者
- 自治体
などから、
排水設備・トイレの使用について案内が出ていないか確認しましょう。
「流れるか試しに流してみよう」も慎重に
ここもやってしまいそうです。
「壊れているか分からないから、一回だけ流してみよう」
でも、
集合住宅ではその「一回」が下階への漏水につながる可能性があります。
地震直後は、
自治体や建物管理者の案内を確認し、
必要な点検が済むまでは携帯トイレなどを利用する方が安心です。
では、大地震直後のトイレはどうする?
そこで必要になるのが、
携帯トイレ
です。
便器そのものが安全に使用できる状態であれば、
便器に便袋をセットし、
排泄物を凝固剤などで処理するタイプがあります。
水で流さないため、
断水時にも使えます。
① まず水洗トイレを流さない
↓
② 自治体・管理会社などの情報を確認
↓
③ 排水設備の安全が確認できるまでは携帯トイレなどを使用
↓
④ 使用済み便袋は自治体のルールに従って保管・処分
携帯トイレを洋式便器で使う基本的な考え方
製品によって使い方は異なりますが、
一般的には、
- 便器が破損していないことを確認する
- 必要に応じて便器を保護する袋をセットする
- その上に排泄用の便袋をセットする
- 排泄する
- 凝固剤などを使用する
- 袋をしっかり閉じる
- 決めた場所で一時保管する
- 自治体のルールに従って処分する
という流れになります。
実際には製品ごとに使用方法が異なるため、
手元にある携帯トイレの説明書を平常時に一度確認しておきましょう。
便器の中の水はどうする?
携帯トイレを使う際に、
「便器の中に水があるけど大丈夫?」
と迷うことがあります。
この場合も、
使用する携帯トイレの説明書に従います。
また、
地震で便器自体が、
- 割れている
- ずれている
- 傾いている
- 床との接合部に異常がある
などの場合は、
その便器を利用しないようにしましょう。
使用済み携帯トイレはどこに置く?
2児ママ目線で、
実際の被災生活を想像すると、
ここもかなり重要です。
家族4人が携帯トイレを使えば、
使用済みの便袋がどんどん増えていきます。
しかも、
災害時にはゴミ収集が通常通り行われない可能性があります。
そのため、
使用済み携帯トイレの一時保管場所も考えておきます。
- 子どもの手が届きにくい場所
- 生活スペースからできるだけ分ける
- 袋をしっかり閉じる
- 臭いや衛生面を考える
- 自治体の災害時の収集・処分ルールを確認する
平常時のゴミ出し方法と、
災害時の処理方法が同じとは限りません。
自治体からの案内に従いましょう。
4人家族なら携帯トイレは何回分必要?
ここで、
わが家のような4人家族で考えてみます。
内閣府が掲載している災害時トイレのガイドラインでは、
平均的な排泄回数として
1人1日5回が目安とされています。
すると、
1人 × 1日
5回
4人家族 × 1日
20回
4人家族 × 3日
60回
4人家族 × 7日
140回
となります。
経済産業省では、
災害用トイレについて
1人当たり1週間35回分を備蓄の目安として紹介しています。
4人家族なら、
5回 × 4人 × 7日 = 140回分
です。
実際の回数には個人差がありますが、
「家族4人だから20個くらいあればいいかな」
では、
1日程度でなくなる可能性があります。
大きな地震のニュースをきっかけに、 防災袋や携帯トイレの数を家族で見直す方法もまとめています。
トイレに行く回数を減らすために水を飲まないのはNG
携帯トイレが少なくなってくると、
「なるべくトイレに行かないようにしよう」
と思うかもしれません。
そして、
「水を飲まなければトイレに行かなくて済む」
と水分を控えてしまうことがあります。
これは避けたい行動です。
内閣府も、
災害時にトイレの使用をためらうことで水分や食品の摂取を控えると、
脱水症状などの健康障害につながるおそれがあると注意しています。
「トイレが心配だから水を飲まない」は危険!
特に子どもや高齢者がいる家庭では、
水分を我慢させないようにしましょう。
断水時は飲み水とトイレ用の水を分けて考える
断水すると、
家にある水をどう使うかも重要になります。
まず優先したいのは、
- 飲料
- 食事
- 必要な衛生管理
など、
命や健康に直接関係する水です。
排水設備の安全が確認されていないのに、
貴重な飲料水を大量にトイレへ流すのは避けたいところです。
携帯トイレを備蓄しておけば、
排泄物を流すために大量の水を使わずに済むというメリットがあります。
断水すると、
トイレだけでなく飲み水・料理・手洗いなどにも影響します。
家庭でできる水の備蓄と節水についてはこちらで詳しくまとめています。
子どもにも「地震の後は勝手に流さない」と教えておく
これは、
子どもがいる家庭ならぜひやっておきたいです。
大人は、
「地震で排水管が壊れているかもしれない」
と理解できます。
でも子どもは、
普段と同じようにトイレへ行き、
普通にレバーを回してしまうかもしれません。
そこで、
難しい説明ではなく、
「大きな地震の後は、トイレを勝手に流さないでね」
「ママかパパに聞いてから使おうね」
くらいシンプルに伝えておくと、
子どもも覚えやすいと思います。
夜中に地震が起きたら?携帯トイレの場所を家族全員が知っておく
防災用品は持っている。
でも、
「どこに置いたっけ?」
では困ります。
特に夜中の大地震で停電した場合、
暗闇の中で携帯トイレを探すことになるかもしれません。
そのため、
- 携帯トイレ
- ゴミ袋
- トイレットペーパー
- ライト
- 手袋
- ウェットティッシュなどの衛生用品
をどこに置いているか、
家族で共有しておきましょう。
携帯トイレだけではなく「トイレセット」で備える
実際の災害時を想像すると、
便袋と凝固剤だけでは不十分なことがあります。
- 携帯トイレ
- トイレットペーパー
- 大きめのゴミ袋
- 使い捨て手袋
- 手指衛生用品
- ウェットティッシュ
- 消臭対策用品
- ライト
- 生理用品
- 子どものおむつ
特に断水時は、
普段のように手を洗えない可能性があります。
トイレ後の衛生管理までセットで考えておきたいです。
「トイレットペーパー以外」を便器に流さない
災害時は、
トイレットペーパーが不足して、
- ティッシュ
- ウェットティッシュ
- おしりふき
- 紙おむつ
などを使う場面も考えられます。
しかし、
これらをトイレへ流すのは避けましょう。
東京都下水道局も、
紙おむつ、おしりふき、ティッシュペーパーなど水に溶けにくいものは排水管などを詰まらせる原因になる
と注意しています。
- 紙おむつ
- おしりふき
- 一般的なティッシュペーパー
- その他、水に溶けにくいもの
断水が復旧した!すぐトイレを流していい?
数日後、
「水が出た!」
となったら、
うれしくてすぐトイレを使いたくなります。
でも、
給水が復旧したことと排水設備が安全であることは別です。
特に大地震後は、
- 自治体の下水道情報
- 使用制限が解除されたか
- マンション管理会社・管理組合からの案内
- 建物内の排水設備の点検状況
を確認しましょう。
マンションの場合は、
自分の判断だけで再開せず、
建物全体として使用可能かを確認したいところです。
断水と地震による「トイレ停止」は分けて考えよう
ここまで読むと、
「断水したら絶対にトイレを流しちゃダメなの?」
と思うかもしれません。
大切なのは、
断水の原因と排水側の状態を分けて考えることです。
ケース① 給水だけが止まっている
排水設備・下水道が正常で、
自治体や建物管理者から使用制限がなく、
便器メーカー等の方法に従える場合は、
生活用水を利用できる場合があります。
ケース② 大地震直後で排水設備の状態が分からない
自己判断で流さず、携帯トイレなどを使用。
自治体や管理会社などからの情報を確認します。
つまり、
「断水したか?」だけではなく
「排水して大丈夫か?」を確認する。
これが重要です。
2児ママ目線|トイレは「災害が起きてから考える」では遅い
防災というと、
水や食料を優先して準備しがちです。
もちろん、
それらはとても大切です。
でも、
4人家族なら、
平均的な目安で1日に約20回。
3日で約60回。
1週間なら約140回。
トイレを使う計算になります。
大きな地震が起きてから、
「そういえば、トイレどうする?」
と考えるのでは遅いんですよね。
水と食料を備えたら、次はトイレ。
「流せない前提」で準備しておこう。
今日できる「わが家の断水・トイレ対策」チェックリスト
- □ 大地震後はトイレをすぐ流さないと家族で共有した
- □ 水が出ても排水できるとは限らないと知っている
- □ お風呂の残り湯を地震直後に自己判断で流さない
- □ 自治体の下水道情報を確認する方法を知っている
- □ マンションの災害時トイレルールを確認した
- □ 携帯トイレを備蓄している
- □ 家族人数×日数で必要数を計算した
- □ できれば1週間分を意識している
- □ 携帯トイレの使い方を確認した
- □ 使用済み便袋の保管場所を考えた
- □ ゴミ袋を多めに備えている
- □ トイレットペーパーを備蓄している
- □ 手袋・衛生用品も用意している
- □ 子どもに「地震後は勝手に流さない」と教えた
- □ 家族全員が携帯トイレの保管場所を知っている
まとめ|断水したら「水を入れて流す」前に確認しよう
断水した時、
「お風呂に水があるから大丈夫」
と思うかもしれません。
でも、
大地震では水道だけでなく、
排水管や下水道なども被害を受ける可能性があります。
だから、
大地震直後は
トイレをむやみに流さない!
水が出ても油断しない。
お風呂の水も自己判断で流さない。
排水設備の安全が確認できるまでは携帯トイレを使う。
そして、
マンションなら特に、
管理会社・管理組合などの案内を確認します。
最後に、
家族で覚えておきたい言葉はこれです。
「水が出る」と「流していい」は別!
子どもにも、
「大きな地震の後は、勝手にトイレを流さないでね」
と一度伝えてみてください。
そして今日、
家にある携帯トイレの数を数えてみましょう。
4人家族なら、
1週間の目安は
140回分。
もし、
「10回分しかなかった……」
となっても、
今気づけたなら備えを見直すきっかけになります。
災害時のトイレは、
我慢すれば済む問題ではありません。
食べること、飲むことと同じくらい、「排泄できる環境」を準備しておく。
それも、
子ども2人との在宅避難を考えるうえで、
忘れたくない防災対策だと思います。
参考|公的機関の災害時トイレ情報
-
東京都下水道局|災害時のトイレ対策について
-
東京都下水道局|紙おむつや水に溶けにくいティッシュなどをトイレに流さないで!
-
内閣府 防災情報のページ|トイレ備蓄忘れていませんか?
-
横浜市|災害時のトイレ対策
※災害時に水洗トイレを使用できるかどうかは、災害の種類、断水原因、下水道・宅地内排水設備・建物内配管の被害状況、自治体による使用制限、建物管理者の判断などによって異なります。大地震後は自己判断で大量の水を流さず、自治体・下水道管理者・マンション管理会社や管理組合などからの最新情報を確認してください。携帯トイレの使用・保管・廃棄についても、製品説明および自治体のルールに従ってください。

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