暑かった夏が終わり、朝晩は少しずつ過ごしやすくなってきました。
こんな季節に、わが家で一度やってみたいと思うのが、
「防災のための車中泊練習」
です。
大きな地震などが発生したとき、避難所ではなく車の中で一時的に過ごすことになる可能性があります。
でも、いざというとき突然、
「今日は家族4人で車で寝よう!」
となっても、実際に何が必要なのか分からないですよね。
寝る場所は作れる?
子ども2人と大人2人で本当に眠れる?
夜は寒くない?
トイレはどうする?
スマホの充電は?
朝までに水はどのくらい飲む?
考え始めると、いろいろ出てきます。
車中泊練習の目的は「上手にキャンプすること」ではありません。
わが家に足りないものを見つけることです。
今回は2児ママ目線で、涼しくなってきた季節に車中泊を練習するメリットや、実際に確認しておきたいポイントをまとめます。
なぜ「涼しくなった今」が車中泊練習のチャンス?
真夏の車内は非常に高温になるため、車中泊練習には向きません。
特に子どもを連れている場合、熱中症の危険があります。
一方、気温が下がってくる秋は、真夏と比べると車内で過ごす練習をしやすくなります。
もちろん、秋でも日によって気温は大きく変わります。
「秋だから絶対安全」ではなく、当日の気温や天候を確認したうえで行うことが大切です。
さらに寒くなってくると、今度は防寒対策が必要になります。
暑すぎず寒すぎない時期は、車内環境を確認する最初の練習には比較的取り組みやすい時期だと思います。
そもそも災害時に車中泊することはある?
地震などの災害では、自宅に被害があったり、余震が怖かったりして、車の中で過ごす人が出ることがあります。
また、子どもがいる家庭では、
- 周囲への音が気になる
- 子どもが慣れない避難所で眠れない
- プライバシーを確保したい
などから、車での避難を考えることもあるでしょう。
ただし、車中泊にはメリットだけでなく健康上・安全上のリスクもあります。
「車がある=車中泊すれば大丈夫」と考えるのではなく、避難方法のひとつとして知っておくことが大切です。
【車中泊・車の防災対策】子どもがいる家庭に車載防災セットが必要な理由|2児ママの備え
車にどんな防災用品を積んでおけばいいのかを考えるときに、こちらの記事も参考にしてみてください。
車中泊練習は「家の駐車場」からでもOK
防災目的なら、最初からキャンプ場まで行く必要はないと思っています。
可能な環境であれば、まずは安全を確保できる自宅敷地内などで、
「家族全員で車の中に入って、寝る準備をしてみる」
だけでも発見があります。
いきなり一晩泊まるのが不安なら、まず30分。
次は2時間。
そして問題なさそうなら一晩。
段階的に試すのもおすすめです。
注意:路上や車中泊が認められていない駐車場などで練習するのは避け、必ず駐車・滞在が認められている安全な場所で行いましょう。
まず確認したいのは「家族全員が寝られるか」
一番最初に試したいのがこれです。
シートを倒してみると、
「意外と広い!」
と思うかもしれません。
ところが実際に家族全員で横になってみると、
「あれ?足を伸ばせない…」
「段差が背中に当たる…」
「子どもは寝られるけど、大人は厳しい…」
なんてこともありそうです。
防災用品を買う前に、まず実際に寝てみる。
これだけで必要な物がかなり見えてきます。
実際に横になると「段差」が気になるかもしれない
車中泊ではシートの段差が想像以上に気になる場合があります。
座っているだけでは気づきません。
でも数時間横になると、背中や腰に負担がかかることがあります。
そこで練習では、
- どこに段差ができるか
- 家にあるマットや毛布で解消できるか
- 子どもが寝返りできるか
- 大人が足を伸ばせるか
をチェックします。
「専用品を買う」のは、その後でも遅くありません。
夜になって初めて分かる「車内が暗すぎる問題」
昼間に車中泊の準備をすると忘れがちなのが照明です。
夜になると車内は思った以上に暗くなります。
スマホのライトだけでも照らせますが、
子どもの着替えをする。
荷物を探す。
トイレへ行く。
となると、別の明かりが欲しくなるかもしれません。
ここも実際に試してみることで、
「ライトがもう1つ必要だな」
など、自分の家庭に必要な数が分かります。
スマホの充電は朝まで持つ?
災害時のスマホは、連絡だけではなく、
- 災害情報
- 天気
- 地図
- 家族との連絡
- 自治体からの情報
を確認する大切な道具になります。
そこで車中泊練習では、普段と同じようにスマホを使ってみます。
夜から翌朝までで、バッテリーは何%減った?
家族全員のスマホを充電できる?
充電ケーブルは足りる?
こうしたことを確認してみます。
「トイレどうする?」は必ず確認しておきたい
子どもがいる家庭で、私がかなり重要だと思うのがトイレです。
夜中に突然、
「ママ、トイレ!」
と言われることもありますよね。
災害時には断水などで通常のトイレが使えない可能性もあります。
車中泊練習をするときには、
- 近くに安全に利用できるトイレはあるか
- 夜間でも利用できるか
- 携帯・簡易トイレをどこで使うか
- 使用後の袋をどこに保管するか
まで考えてみます。
「携帯トイレを持っている」だけではなく、どう使うのかまで考えておくことが大切です。
水は実際どれくらい飲む?
これも練習だから確認できます。
家族4人で夕方から翌朝まで車内で過ごした場合、飲み水をどれくらい使うのか。
子どもは思った以上に飲むかもしれません。
逆に、トイレに行きたくないからと水分を控えるのはおすすめできません。
車内で長時間同じ姿勢を続ける場合は、血栓症、いわゆるエコノミークラス症候群にも注意が必要です。
適度に水分をとり、定期的に体を動かすことを意識しましょう。
車中泊では「エコノミークラス症候群」に注意
災害時の車中泊で特に知っておきたいリスクです。
狭い車内で長時間同じ姿勢を続けることは避けます。
練習するときから、
- 定期的に車外へ出て歩く
- 足を動かす
- 水分をとる
- 無理な姿勢で長時間寝ない
といった習慣を確認しておきましょう。
安全な状況なら適度に歩いたり体を動かしたりすることも大切です。
エンジンをかけっぱなしで寝るのは避ける
車中泊で気をつけたいもう一つのリスクが、一酸化炭素中毒です。
特に災害時は、周囲の状況が普段と違う可能性があります。
内閣府も、車中泊では一酸化炭素中毒などの危険に注意するよう呼びかけています。
夜間に寝るとき、エンジンやエアコンをつけっぱなしにすることは避けます。
だからこそ、エンジンに頼らず過ごしやすい気候のときに練習してみる意味があります。
目隠しは必要?実際に夜にならないと分からない
車内で横になってみると、意外と気になるのが外からの視線です。
特に家族で着替えたり、子どもを寝かせたりする場合、プライバシー対策は重要です。
実際に暗くなって車内の明かりをつけると、外からどのくらい見えるのか確認できます。
これも昼間の準備だけでは気づきにくいポイントです。
朝方に「寒い!」となるかもしれない
秋は昼間と朝晩の気温差が大きい日があります。
夜は快適だったのに、明け方になったら寒い。
ということもあります。
そこで、
- 毛布は何枚必要?
- 子どもの上着は必要?
- 靴下は?
- 寝袋がなくても家にある物で対応できる?
などを確認します。
ここでも、いきなり道具を買うよりまず家にある物で試してみるのがおすすめです。
子どもは本当に眠れる?
大人が考える「必要な物」と、子どもが実際に必要とする物は違うことがあります。
暗い車内を怖がるかもしれません。
いつもの枕がないと眠れないかもしれません。
喉が渇いたと言うかもしれません。
退屈してしまうかもしれません。
そんなとき、
- お気に入りのタオル
- 小さなおもちゃ
- 絵本
- 飲み物
- おやつ
などがあるだけで落ち着くこともあります。
子どもにとっての防災用品は「生きるための物」だけではなく、「安心するための物」も大切。
これは2児ママとして意識しておきたいところです。
実際に食事もしてみる
せっかくなら夕食や朝食も、災害時を少し想定してみます。
豪華な車中泊料理を作る必要はありません。
むしろ防災練習なら、
「電気・ガス・水道をなるべく使わない食事」
を試してみるのもよいと思います。
実際に食べると、
「子どもがこれは食べない」
「飲み物が足りない」
「ゴミがこんなに出るんだ」
など、新しい発見があります。
車中泊練習をきっかけに、家族の非常食も一緒に確認してみると効率的です。
やってみると「ゴミ問題」に気づく
意外と盲点なのがゴミです。
食べ物の袋。
ペットボトル。
ウェットティッシュ。
使用済みの携帯トイレ。
一晩だけでもゴミは出ます。
災害時はすぐにゴミを捨てられるとは限りません。
そのため、
「ゴミをどう分け、臭いを抑え、どこに置くか」
まで考えておくと、より実践的な練習になります。
車中泊練習で見つけたい「足りないもの」
一晩試したら、翌朝に家族で答え合わせをします。
例えば、
- ライトが足りなかった
- 毛布がもう1枚欲しかった
- 水が思ったより減った
- スマホ充電用のケーブルが足りなかった
- シートの段差が痛かった
- 目隠しが必要だった
- 子ども用の暇つぶしが欲しかった
- ゴミ袋がもっと必要だった
- トイレ対策をもっと考えたい
などが出てくるかもしれません。
「快適に泊まれたか」ではなく、「足りないものを発見できたか」で成功を判断します。
買う前に「家にある物で代用できない?」を考える
不足している物が見つかっても、すぐに全部買う必要はありません。
例えば、
毛布は家にある。
ゴミ袋もある。
ライトもある。
タオルもある。
という家庭も多いはずです。
まずは家にある物を車へ持っていき、それでも不足する物だけを考えます。
防災は「たくさん買うこと」ではなく、「必要な物を使える状態にしておくこと」が大切です。
車中泊練習チェックリスト
- □ 家族全員が横になれるか
- □ シートの段差は気にならないか
- □ 寝返りできるか
- □ 夜の照明は足りるか
- □ 外から車内が見えないか
- □ スマホを家族分充電できるか
- □ 水はどのくらい必要か
- □ 食事は問題なくできるか
- □ 子どもが食べられる物があるか
- □ トイレをどうするか
- □ 使用済みトイレ・ゴミを保管できるか
- □ 夜から朝にかけて寒くないか
- □ 子どもは眠れるか
- □ 定期的に体を動かせるか
- □ 翌朝「足りなかった物」を家族で確認する
「車に積みっぱなし」にしていい物かも確認する
練習で使った物を、そのまま全部車に積んでおけば安心。
と思うかもしれません。
でも車内は季節によって高温・低温になるため、食品、飲料、電池、モバイルバッテリーなどは、それぞれの保管条件を確認する必要があります。
「車中泊で必要」=「一年中車内に置いてよい」とは限りません。
車載する物と、災害時に家から持ち出す物を分けて考えておくのがおすすめです。
車中泊できない状況も想定しておこう
ここも大切です。
車中泊練習をしたからといって、災害時に必ず車で避難できるとは限りません。
大雨や洪水では、駐車場所そのものが浸水する危険があります。
道路が損傷して車を動かせない可能性もあります。
避難指示などが出ている場合には、自治体などからの情報を確認し、安全な避難先を優先します。
災害の種類・自宅周辺の状況・天候・家族の体調などに応じて、安全な避難方法を選ぶことが大切です。
まとめ|涼しい時期に一度「家族で車に泊まる」を試してみよう
防災用品は、買って終わりになりがちです。
でも実際に車中泊をしてみると、
「これは便利だった!」
「これは使わなかった」
「これが足りない!」
ということが見えてきます。
特に子どもがいる家庭では、必要な物が家族によって違います。
ネットで紹介されている「車中泊に必要な物リスト」をそのまま揃えるより、
自分たちで一度体験して、自分の家族に必要な物を見つける。
これが一番実践的な防災準備ではないでしょうか。
「わが家には何が足りない?」を災害が起こる前に発見すること。
涼しくなってきた今、家族の防災イベントとして一度試してみるのもおすすめです。
そして練習が終わったら、気づいたことをメモしておきましょう。
「水を増やす」
「ライトをもう1個用意する」
「子どもの毛布を入れる」
たったそれだけでも、災害時の車中泊は「初めて」ではなくなります。
一度経験している。
それ自体が、家族を守るための大切な備えになると思います。

コメントを残す