大きな地震が起きたとき、
私たちは一瞬のうちにいくつもの判断を迫られます。
「家族を迎えに行ったほうがいい?」
「家に忘れ物を取りに戻る?」
「火が出ているけれど消したほうがいい?」
「津波が本当に来るまで待っても大丈夫?」
2児のママとして考えたとき、
一番難しいのは、
子どもと離れているときに災害が起きた場合
ではないでしょうか。
当然、
真っ先に子どものところへ行きたくなります。
でも、津波が迫っている状況では、
その行動によって自分まで避難できなくなる可能性があります。
そこで知っておきたい言葉が、
「津波てんでんこ」
です。
今回は「津波てんでんこ」という言葉から、
津波から生き残るために家族で何を決めておけばいいのか、
さらに大地震で火災が発生した場合に、
いつ消火をやめて逃げるべきなのか
について考えてみます。
この記事で一番伝えたいこと
津波が迫っているときは、
家族を探してから逃げるのではなく、一人ひとりが直ちに避難する。
そして地震火災では、
消火できないほど火が大きくなったら、消火に固執せず避難する。
災害時に最も大切なのは、
「物を守ること」ではなく「命を守ること」
です。
「津波てんでんこ」とは?
「津波てんでんこ」は、
三陸地方に伝わる津波防災に関する言葉として知られています。
「てんでんこ」には、
それぞれ、各自で、といった意味があります。
そのため、
「津波が来たら、それぞれが自分で逃げる」
という意味で紹介されることがあります。
でも、
ここで誤解してほしくないことがあります。
「津波てんでんこ」は、家族を見捨てるという意味ではありません。
むしろ、
「家族も必ず自分で逃げている」と信じられるよう、
普段から家族全員で避難方法を決めておく
という考え方につながります。
なぜ「家族を迎えに行ってから」では危険なの?
親なら、
学校にいる子どもが心配になるのは当然です。
例えば仕事中に大きな地震が起きたら、
「学校へ迎えに行かなきゃ!」
と思うでしょう。
しかし、
津波のおそれがある場所では、
迎えに行くために海側や低い場所へ戻ることが命取りになる可能性
があります。
津波は非常に速く伝わるため、
津波を見てから逃げるのでは間に合わない場合があります。
「お母さんも逃げるから、あなたも逃げて」
2児のママとして考えると、
家族でぜひ決めておきたい約束があります。
わが家の津波避難ルール
🌊 学校にいるとき
→ 先生の指示に従って避難する
🌊 家にいるとき
→ 決めておいた安全な場所へ避難する
🌊 親が仕事中
→ 親を待たずに避難する
🌊 親も
→ 子どもを探すため危険な場所へ戻らず、自分のいる場所から避難する
つまり、
「迎えに行くから待っていて」ではなく
「必ず逃げるから、あなたも逃げて」
という約束です。
津波から生き残るためには「より遠く」より「より高く」
津波避難で重要なのが、
高い場所へ逃げることです。
海岸付近で強い揺れを感じたり、
津波警報・大津波警報などが発表された場合は、
すぐに避難を開始します。
津波避難で覚えておきたいこと
① 海や川から離れる
② より高い安全な場所へ避難する
③ 津波を見に行かない
④ 家へ荷物を取りに戻らない
⑤ 家族を探して危険な場所へ戻らない
⑥ 津波警報・注意報が解除されるまで戻らない
津波は「一回来たら終わり」ではない
最初の津波が過ぎたあと、
「もう大丈夫そうだから家へ戻ろう」
と思ってしまうかもしれません。
しかし、
津波は繰り返し襲ってくることがあります。
後から来る津波のほうが高くなる場合もあります。
そのため、
津波警報・注意報が解除されるまで避難を続ける
ことが重要です。
「津波が見えないから大丈夫」は危険
海を見ても、
何も変化がない。
だから、
「まだ逃げなくても大丈夫かな?」
と思ってしまうかもしれません。
でも、
津波避難で最も避けたいのが
津波を確認してから避難しようとすることです。
津波を見てから逃げるのではありません。
海の近くで強い揺れを感じた。
津波警報等を知った。
その段階で
避難を始めます。
川の近くも注意する
「海から少し離れているから大丈夫」
と思っていても、
川を通じて津波が遡上する可能性があります。
海岸だけではなく、
河口や川沿いなど、
津波浸水想定区域に入っている地域では注意が必要です。
平常時に自治体の
津波ハザードマップ
を確認しておきましょう。
子どもと「津波避難場所」を実際に歩いてみる
ハザードマップを見るだけではなく、
ぜひ一度、
子どもと避難場所まで歩いてみてください。
すると、
- 思ったより遠い
- 坂道がきつい
- 夜は暗そう
- 途中に危険なブロック塀がある
- 別のルートのほうが安全
など、
地図だけでは分からないことが見えてきます。
「避難場所を知っている」と「実際にそこまで行ける」は別物です。
では、地震火災から生き残るには?
大地震で怖いのは、
津波だけではありません。
もう一つ大きな危険になるのが
地震火災です。
大規模な地震では、
複数の場所で同時に火災が発生する可能性があります。
道路が通れなくなったり、
消防活動が難しくなったりすると、
火災が市街地へ広がる可能性もあります。
地震で揺れている最中に火を消しに走らない
地震が起きると、
「火を消さなきゃ!」
と思いますよね。
でも、
強く揺れている最中にキッチンへ走ると、
- 転倒する
- 家具が倒れてくる
- 熱い鍋が落ちる
- ガラスを踏む
などの危険があります。
強い揺れの最中は、まず自分の身を守ることを優先します。
火災が発生したら「初期消火」か「避難」か
揺れが収まったあと、
小さな火災を発見した場合は、
安全にできる範囲で初期消火を行います。
ただし、
どんな火でも自分で消さなければならない
という意味ではありません。
火が大きくなったら逃げる
炎や煙が拡大し、
自分で安全に消火できない状態なら、
消火に固執せず避難する。
家や物より、
命を優先します。
煙は非常に危険
火災というと炎ばかりを想像しますが、
煙も大きな危険です。
煙が充満している場所へ
「大事なものを取りに戻ろう」
と入ってはいけません。
一度安全な場所へ避難したら、
物を取りに建物へ戻らない
ことが重要です。
地震後の「通電火災」にも注意
地震によって停電した場合、
電気が復旧したときに火災が発生することがあります。
倒れた電気ストーブや、
損傷した配線などに再び電気が流れることで、
出火する可能性があります。
避難する場合は、
安全に操作できる状況なら
ブレーカーを落としてから避難
することも地震火災対策になります。
ただし、
火や津波が迫っているときに、ブレーカー操作のため避難を遅らせてはいけません。
津波と火災が同時に起きたら?
大地震では、
複数の災害が同時に発生する可能性があります。
例えば、
地震+津波+火災
という状況です。
そのとき、
「火を消してから逃げよう」
「荷物を持ってから逃げよう」
と考えている時間がない可能性があります。
優先順位は「命」
津波が迫っている
↓
すぐ高い場所へ避難
火災が拡大している
↓
消火に固執せず避難
荷物を忘れた
↓
取りに戻らない
「自分だけ逃げるなんてできない」と思うからこそ
「津波てんでんこ」という言葉を聞くと、
「家族を置いて自分だけ逃げるなんてできない」
と思う方もいるでしょう。
私も2児のママなら、
同じ気持ちになると思います。
だからこそ、
災害が起きてから決めるのでは遅いのです。
平常時に、
家族で約束しておきます。
「地震が起きたら、お母さんを待たなくていいよ」
「学校にいたら先生と一緒に逃げてね」
「お母さんも必ず逃げるからね」
「安全になったら決めた場所で会おうね」
お互いが
「きっと逃げている」
と信じられる関係を、
災害が起きる前につくっておくのです。
家族で決めたい「てんでんこルール」
□ 津波が来たら家族を待たず避難する
□ 学校・職場から家へ戻らない
□ 第1避難場所を決める
□ 第2避難場所も決める
□ 津波避難ビルを確認する
□ 子どもと実際に避難経路を歩く
□ 夜間の避難経路も確認する
□ 警報等が解除されるまで戻らない
茶トラぶろぐ|地震が起きた直後の行動も確認
津波や火災への備えを考えるなら、
地震発生直後の行動もセットで覚えておきたいところです。
茶トラぶろぐでは、
地震直後に慌てて外へ飛び出すことなど、
地震直後に避けたい行動についても紹介しています。
津波避難は気象庁の情報を確認
津波警報・注意報など、
災害時には公的機関の最新情報を確認しましょう。
家族で今日やってほしいこと
この記事を読んだら、
ぜひ今日、
子どもに一つ質問してみてください。
「学校にいるときに大きな地震が来て、津波が来そうだったらどうする?」
そして、
「ママが迎えに来るまで待つ」
という答えだったら、
家族で避難方法を話し合うチャンスです。
「迎えに行くまで待っていて」ではなく、「あなたはあなたで逃げて。ママも逃げる」
という約束をしておきましょう。
津波・火災から生き残るためのチェックリスト
□ 自宅が津波浸水想定区域か確認した
□ 津波避難場所を知っている
□ 子どもと避難場所まで歩いた
□ 家族が別々の場所にいる場合のルールを決めた
□ 津波が来たら家族を探しに戻らないと決めた
□ 津波警報等が解除されるまで戻らない
□ 地震時は強い揺れの最中に火を消しに走らない
□ 消火器の場所・使い方を確認した
□ 火が拡大したら避難する
□ 避難後は物を取りに戻らない
□ ブレーカーの位置を家族が知っている
まとめ|「逃げる決断」を災害が起きる前にしておこう
津波から生き残るために大切なのは、
津波が見えてから逃げることではありません。
危険を感じた段階で、直ちに避難を始めること。
そして家族が離れている場合でも、
「家族も逃げている」と信じて、自分も逃げる。
これが「津波てんでんこ」から学びたい大切な考え方です。
火災についても同じです。
家を守りたい。
大切な物を守りたい。
自分で火を消したい。
そう思うのは当然です。
でも、
火が拡大して自分の手に負えない状況になったら、
逃げることをためらわない。
津波なら、高い場所へ逃げる。
火災なら、危険になる前に逃げる。
荷物は取りに戻らない。
そして、命を最優先する。
2児のママとして、
子どもを守るために一番大切なのは、
災害が起きた瞬間に親がすべて助けに行くことだけではありません。
子ども自身が、自分の命を守る行動を取れるようにしておくこと。
そして、
「ママも必ず逃げる」
「あなたも必ず逃げて」
と平常時から約束しておくこと。
それも、
大切な家族を守る防災なのだと思います。
※本記事は一般家庭向けの防災情報をまとめたものです。実際の災害時には、気象庁・消防・警察・自治体などから発表される最新情報を確認してください。
※海岸付近で強い揺れを感じた場合や津波警報等が発表された場合は、速やかに安全な高い場所へ避難してください。津波警報・注意報が解除されるまで避難を続けてください。
※火災時の初期消火は自分の安全を確保できる範囲で行い、危険を感じた場合は消火に固執せず避難してください。
※津波、火災、建物倒壊など生命に差し迫った危険がある場合は、荷物の回収やブレーカー操作などのために避難を遅らせないでください。
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